◆水棲亀(水カメ)とは?
水棲亀(水カメ)は、さらに「半水棲ガメ」と「水棲ガメ」に種類が別れる為、用意する飼育用品が異なります。
注意しましょう。
- 半水棲ガメ
- 水中と陸上の両方で生活する種類。ニシクイガメやニホンイシガメ(ゼニガメ)など。
- 体を休める陸地を作る必要があるので、市販の浮島などを使って作りましょう。
- 全水棲ガメ
- ほとんど水の中で生活する種類。スッポンやワニガメなど。
- 陸地を作る必要がありません。
水棲亀の代表とも言えるミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)はペットとして飼われていて人気がありましたが、飼えなくなったりして放流したり逃げたりして川に住み着き在来生物の生態を脅かすようになっています。
将来的には「特定外来種生物」となる可能性(2020年11月現在)もあります。既に飼っている方は、国からの許可が必要となる場合があります。
現在は、一部の自治体で「指定外来種」に指定されていますので、対象の地域の方は自治体にお問い合わせをしてください。
ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)だけに限らず、どの生き物でもそうですが飼う際は「最後まで面倒見る」覚悟で飼うようにしましょう。
◆水棲亀(水カメ)をお迎えする準備
餌(専用フードなど)
水棲亀(水カメ)は雑食性になり、小松菜やニンジンなどの野菜からアカムシやコオロギ、レバーなどの虫や肉などを食べます。
栄養バランスが偏りがちになるので、専用フードを与える方が偏りが軽減されます。
リクガメのようにエサ皿は使わずに金魚のように直接水面へ入れ与えますが、食べ残しが無いような量を与えましょう。
オススメの水棲亀(水カメ)フード
オススメのサプリメント
床材
基本は必要ないですが、使う際は床材の種類は底石を使用します。
防水性のプレートヒーターなどを使う場合は、火傷防止になりますので必ず敷くようにしてください。
底石のサイズとしては間違えて食べないような大きさを選ぶと誤飲防止になります。
ケージ
成長した大きさに合わせて、はじめから大き目のケージを用意しましょう。
水槽やケージを使う場合は「浮島・陸場」を設置できるように考慮して選んだ方がいいでしょう。
タートルバスなどの専用ケージは、最初から陸地を作りやすいようになっているので簡単です。
オススメの水棲亀(水カメ)ケージ
浮島・陸場
水棲亀(水カメ)とはいえ、全てを水中で過ごす種類より半分水中・半分陸で過ごす「半水棲ガメ」の種類の亀がほとんどです。
そのため、「浮島・陸場」が必要となります。
サイズは甲羅の長さの3倍ぐらいが目安となり、ケージの割合は陸と水の割合が「3:7」になるのがベストとされています。
オススメの水棲亀(水カメ)浮島・陸場
UVランプ(紫外線灯・紫外線電球)
健康な甲羅や骨を作る為には日光浴は必要となります。
ケージを設置する場所などで日光浴が難しい場合は、爬虫類用のUVランプを使用して紫外線を与えるようにしましょう。
ただし、電気を使用する為、濡れないように工夫する必要があります。
オススメのUVランプ(紫外線灯・紫外線電球)
ライト
亀は「爬虫類」になりますので、トカゲなどと同じように体を温めることで食欲を増進させたり、消化を助けたりします。
基本は必要ありませんが、飼育環境によって必要と判断した場合は温めるためにライトをつけましょう。
防水されたライトなどを選ぶと良いです。
オススメのライト
温度・湿度計
快適に過ごせるように、自然の環境に近い温度や湿度を整える必要があります。
定期的なチェックが出来るよう温度計・湿度計を用意しましょう。
冬眠させる場合は、水温を15℃以下にする必要があります。
ただ、冬眠は死亡するリスクも伴うので繁殖を行わないのであれば、冬眠はさせずに越冬させた方が良いでしょう。
また子ガメの頃は冬眠はさせない方が良いでしょう。
ケージ全体が暑くならないようにしてください。クールダウンが出来る様に温度の低い場所を作るようにしましょう。
オススメの温度・湿度 ※目安となります※種類によって変わる場合があります。
温度 | ホットスポット | 28~32℃ぐらい |
---|---|---|
水温 | 24~28℃ぐらい |
オススメの温度・湿度計
ヒーター・保温器具
観賞魚用のヒーターを使用しますが、プレートヒーターを使用する場合は防水されたのを使用し、ケージの中に入れるのではなくケージ下に設置します。
サーモで温度調節をするようにしましょう。
また直接亀に触れないように底石をヒーターの上に入れるようにして、火傷防止をしましょう。
オススメの保温器具
オススメのヒーター
フィルター
観賞魚よりも使用する水の量が少ないため水が汚れやすいです。
さらにエサなどの食べ残しも汚れの原因となり、臭いや衛生的に良くありません。
こまめな水替えが理想ですが、頻繁に替える事が難しい場合があるため、フィルターを使用する事をオススメします。
フィルターを使うことで、水を綺麗にして水替え回数を減らすだけではなく、衛生的にも良くなります。
フィルターは屋内用と屋外用とあり、ケージを設置する場所場所にあったものを選ぶようにしてください。
屋外飼育なのに屋内用のフィルターを使用すると故障の原因になります。
◆かかりやすい病気
注意する症状
こんな状態になっていたら、注意してください。
- 皮膚に白いものがついている、めくれている
- 甲羅が柔らかい
- 耳のあたりがおかしい
- 糞がないまたは下痢気味である
「皮膚に白いものがついている、めくれている」場合は、「水が汚れている」「日光不足」等が考えられます。
これ以外の症状で、少しでもおかしいと感じたら、爬虫類を診てくれる動物病院へ連れて行きましょう。
早目に連れて行くことで症状も早く回復します。
長く一緒に暮らせるように、毎日、変わった所はないかしっかりチェックしましょう。
水カビ症
甲羅や皮膚などに水カビが生えます。皮膚に生えた場合は首や手足の付け根に白い毛のようなものがつき、甲羅の場合はつやが無くなり、乾燥気味になります。
悪化すれば炎症してただれてしまい最悪の場合、命に関わる事があります。
主に水質の汚染などが原因のため、こまめな水の交換やケージを綺麗にする事が重要となります。
またストレスによりかかりやすくなるので、日光浴やストレスの元になるようなことは取り除いたりすると良いでしょう。
中耳炎
目の横にあたる部分が腫れる事で見つかります。
病院で処置してもらいましょう。
湿度と汚い環境のケースが一般的な原因となります。
水棲亀(水カメ)の場合、餌が水の中に落ちる為水質が悪くなります。
さらに夏場は温度や湿度が高くなり、水質もさらに悪くなりやすくなります。ケージの衛生管理には気を付けましょう。
◆水棲亀(水カメ)の選び方
水棲亀(水カメ)を選ぶ際、下記の事を留意して選ぶといいでしょう。
- 甲羅がしっかりしている。触っても柔らかくない。
- 目がパッチリしていて綺麗
- ケガや傷がない
- 元気に動き回る
特に甲羅が柔らかい場合は、日照(UV)不足や栄養不足の可能性もあります。
健康で元気な個体を選ぶことで、飼育のしやすくなります。
最初が大切なので慎重に選びましょう。
※個体や種類・飼育環境などによって飼育方法が異なる場合があります。
こちらに書いている内容は一般的な飼い方になりますので、必ず購入したショップで詳しい飼育方法を聞いて確認してください。